(平成31年1月1日発行 最上川土地改良区広報第85号理事長挨拶より)

   最上川土地改良区 理事長 田澤 伸一 
             

  

新年明けましておめでとうございます。

組合員の皆様、関係機関の方々におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。また、日頃より本区の業務運営並びに事業の推進につきましては、多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年八月、本区が管理する「北楯大堰」が山形県の施設で初めて「世界かんがい施設遺産」に登録されました(全世界で七四施設)。大変名誉に思うとともに、喜ばしいことであります。

北楯大堰は、今から約四〇〇年前、狩川城主北館大学助利長公が、水不足で満足な農地もなく困窮し苦しむ領民を見て、用水を引き新田開発する決断をし、水源を探すこと一〇年。河床が高く水の豊富な立谷沢川から取水する綿密な計画をたて、難工事を克服し、一六一二年に開削した大堰です。大堰完成後、水量が多かったため、さらに用水路を余目・新堀、長沼の二方面にも延ばし、米作りを中心とした経済発展と集落形成に大きく貢献しました。あらためてこれまでの「北楯大堰」の恵みと、四〇〇年間にわたり代々堰を守り続けて来られた先人達に敬意を表するとともに、これら資源を次世代に確実に引継ぐ使命を果たして参る所存であります。

さて、昨年は世界各地で異常気象が起こり、日本国内でも災害の多い一年でありました。本区管内においては、昨冬の大雪の影響で融雪が遅れた地域もあり、関係機関と協議し、代掻き期間を五日間延長し、四月二六日から五月一〇日までの一五日間とする措置を取っていただきました。また、六月下旬から七月末にかけて高温少雨の日が続いたため、京田川水系では、渇水状態となるなど、厳しい状況が続きました。八月には、三度の大雨により、下流部で湛水被害や、一部の用排水路に土砂や流木が流入する被害に見舞われました。今後もこのような災害に対して、迅速な対応と、被害を最小限に抑えるよう取り組んで参ります。

また、本区では平成三〇年度も中干期に揚水機場の時間休止を実施させていただきました。これは、平成二七年度よりスタートしたもので組合員の負担軽減とCO2削減を目的として行なってきたものです。組合員の皆様の、ご理解とご協力に対し心より感謝申し上げます。今後も適切な用水調整と経費削減に努めて参ります。

  次に、平成三〇年度における本区の事業取り組みについて申し上げます。

国営かんがい排水事業「最上川下流左岸地区」は、平成二九年より実施されておりますが、目的は、施設の中には一部造成後五〇年も経過し老朽化し機能を果さないものもあるため、その施設の更新とあわせ排水系統を再編し、排水機能を向上させ維持管理の軽減を図るものです。今年度工事は、中央排水路の二四〇m、毒蛇排水路の七三〇mの整備補修を行っております。

「県営かんがい排水事業」については、受益面積が五〇〇㏊未満のため平成二十三年度終了の国営水利事業に該当しなかった用水路について、県営事業として改修を行うものです。平成二五年度より実施しており、工事予定路線は一七路線、延長は約三六㎞となります。「上堰・八カ村堰地区」「上堰下流地区」「吉田新堀西野地区」「十一カ村堰地区」は既に事業着工しており、平成三〇年度は、「長沼堰地区」・「町堰地区」・「廿六木堰地区」の事業施工申請を行います。残りの路線については平成三二年度以降順次着工を予定しています。

  「県営農地整備事業」(県営ほ場整備事業)でありますが、事業実施三年目となる「常万地区」は、本年度は面工事及び揚水機場の施工を行っております。また、「西興野地区」は平成三一年度、「狩川東部地区」は平成三三年度からの事業実施を予定しており、ともに用水は自然圧パイプライン、排水は地下排水を計画しております。

   「簡易基盤整備促進事業高田麦地区」は、平成三〇年度は実施設計のみとなり、工事は平成三一年度からになります。整備内容は、畦畔除去による大区画化、排水路の管路化、地下かんがい(暗渠排水)の三種類であり、労働経費の削減、維持管理労力の低減をめざします。

結びに、近年の農業をとりまく環境は、農業従事者の高齢化や新規就農者が少ないなど様々な問題を抱えながら担い手に農地が集中してきております。本区としては、そんな状況下で、未来への投資として生産性向上を目指した事業を展開しなければなりません。今年は総代選挙もありますが、役職員一丸となり真摯に本区の運営に取り組んで参る所存でございます。

今年が組合員の皆様にとり輝かしい年となりますことをご祈念し、年頭のご挨拶とさせて頂きます。




  平成31年1月1日

 

最上川土地改良区 理事長 田 澤 伸 一