1、土地改良区の概要

 本区が管理する地域は、庄内平野のほぼ中央に位置し、最上川下流の左岸と、月山に源を発する京田川に挟まれた東西18km、南北6kmの長方形の区域であり、酒田市、鶴岡市、そして庄内町にまたがる2市1町の6,486ha(田)の地域である。
 用排水施設は、県営かんがい排水事業(S17年〜S46年)により造成された施設で配水されているが、相当の年数が経過し老朽化による機能低下で維持管理に多大な労力と経費を要しているため、平成5年度より国営最上川下流地区農業水利事業、平成13年度からは国営最上川下流沿岸地区農業水利事業、平成29年度からは国営最上川下流左岸農業水利事業により、施設の整備を進めている。
 また、ほ場整備事業は、昭和46年度より30a区画に取り組み面積5,322haを完了し、その後残された地域の一部は大区画の整備が進められている。


2、沿革


   


3、地形・気象

 本地域の中央部を東西に陸羽西線、それに沿って国道47号線が走り、地域を南・北に二分している。地域の全体はわずかに、東から西へ傾斜する坦々たる平地で、一帯は自然勾配1,400分の1程度である。しかし庄内町狩川南部及び京田川上流部の添川地区は、山沿いであるため300分の1の急勾配で、東から西に向け傾斜している。排水は国道47号線を境に南部地域は京田川・藤島川に、北部の地域は最上川に排水されている。
   
 4月・5月にかけて15m〜20mの強い季節風が吹き、最大瞬間風速30mに達することもある。被害は区域内西部地区が大きく、9月・10月の出穂から完熟期に、俗称「清川だし」と言う東北東の強風があって、風速は春の西風以上で被害を東部地区まで及ぼしている。冬期間は、裏日本特有の気象で東西の季節風が強く、積雪は0.25m〜0.8m内外である。

  
a)一般気象
   

  
b)特殊気象
   


4、水利状況

 
本地域の主水源は、最上川・立谷沢川の左岸及び京田川左・右岸と、一部東部山麓沿いに渓流掛りがある。また地域全域に亘り、補水源として河川から直接と地区内排水反復利用の揚水機46ヶ所が設置され、灌漑されている。
 最上郡戸沢村大字古口地内の最上川取水口は、県営用水改良事業で昭和38年度に造成された。しかし、完成以来最上川本線の河床低下が顕著に進み、水位の低下による影響を受け融雪期以外は、計画取水量を確保することが困難な状況にあった。その後、平成8年に国土交通省直轄管理のさみだれ大堰が完成し、計画取水が確保されている。また立谷沢川を水源としている庄内町肝煎地内の北楯大堰頭首工及び京田川(祓川)、鶴岡市添川地内で取水している新堰頭首工は、6月下旬頃までは融雪により水量も豊富であるが、両川とも流域面積が狭く、水稲生育最盛期である7月下旬から8月中旬にかけては、毎年渇水となり特に旱天の続く年は枯渇状態となる。地域の所要水量の対策として、京田川・藤島川の河川から直接と地区内排水路を補水源として、揚水機を設置し揚水するとともに、各幹・支線の水量調節によって灌漑している状況である。
 地域内の排水は、地域の中央を通る国道47号線の南・北に二分され、県営排水事業及びその他の事業で造成された20路線によって、京田川・藤島川・最上川に、それぞれ排水されている。然しながら、異常降雨により河川水位上昇時には、河川からの逆流を防止するため逆水門を閉鎖、そのために内水位上昇による湛水の被害を受けることになり、管内に二段割・大和・毒蛇・中央・西野の排水機場を設置、自然排水されるまで、稼働、最上川及び京田川に排除される。



5、改良区組織





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